2017年6月25日日曜日

パネル型の手摺(1)

手摺を攻略しよう

手摺の設定は少々難解ですので、いくつか具体的に手摺を作成しながら、詳しく見ていきましょう。今回は三協立山アルミの手摺「ファインマスター」を作成してみます。
パネル型の手すりタイプを作ってみます
細部にも凝ってみましょう。

縦部材はファミリ、横部材はプロファイル

手摺は簡単に言うと縦部材と横部材の組み合わせですが、スケッチラインに沿って

  • 横部材はプロファイルがスイープされる
  • 縦部材はファミリが規則的に配置される
という原則で構成されいます。何を縦部材(手摺子ファミリ)とし、何を横部材(プロファイル)とするかをよく観察して決定しましょう。

横部材(手すり)

まずは横部材(手すり)ですが、ファインマスターSBの場合、「笠木」と「下端部材」が横に通っているので、この二つを横部材とみなすことができます。
Webカタログより画像を拝借しました。
そこでCADデータをダウンロードして、二つのプロファイルを作成します。

  1. [R]>新規作成>ファミリ
  2. プロファイル - 手すり(メートル単位).rftを選択

笠木は「上部手すり」のタイプ用で、下部材は手すり(手すり子ではない)用のプロファイルとします。
笠木のプロファイル
下部材のプロファイル(なぜか上部手摺のプロファイルとは向きが逆です)

縦部材(手すり子)

縦部材は手すり子のファミリとして作成します。縦部材とは簡単に言えば横部材以外の部品です。ファインマスターの場合、下の図のように「支柱」と「ガラスパネル」になります。
横部材以外は縦部材(手すり子ファミリ)として作成
Webカタログより画像を拝借しました。
この二つの要素を手すり子ファミリとして作成します。使用するファミリテンプレートは

  • 支柱ー手すり子 - ポスト.rft
  • ガラスパネル―手すり子 - パネル.rft
支柱を作るときの注意点ですが、手すり子 - ポスト のテンプレートを開くと、立面図-左のビューが開くのですが、レベルより上に二つの参照面があります。今回の例のように支柱の上端が上部手すりなど横部材の下端で止まっている場合は、「参照レベルと上から二つ目の参照面との間にフォームを作成する」ということです。この参照面と手摺タイプの手すり子の位置の編集ダイアログの関係を図解すると下の図のようになります。
参照面には役割があります。

このダイアログボックスからわかるように、手摺はまず横部材(手すり)ありきで、どの横部材の間に手すり子を配置するかで決まるのです。そこで、次のようなファミリを用意しました。手すり子支柱高さはどうなるのか?というと、これについては話が長くなるので別の機会にお話しします。
ファインマスターSB支柱
平面図はこうなります。左側が正面、と考えてください。
左側が正面
外観

ガラスパネルは単純な板を作成しますが、両端部を25mmオフセットして作成しています。
ガラスパネル
タイプとして幅が800mmのものと1200mmのタイプを作成しておきます。
この「勾配角度」というのが気になるかもしれませんが、これは階段やスロープをホストしたときの角度を意味しています。今回は勾配を考える必要がないのでこれを無視しています。

さてこれで材料は出そろいました。次回は手すりタイプを作成して、実際に配置してみます。

2017年6月17日土曜日

ファミリのマスキング

テーブルの上に椅子?

ファミリにマスキングやシンボル線分を使用したとき、他のファミリとの前/背面関係はどうなっているのでしょうか?例えば下の図はテーブルと椅子のファミリを配置した状態です。テーブルの上に椅子が乗っています。
椅子がテーブルの上に???
3Dで見るこのようになっているんですが…
問題なさそうですよね・・・

なぜこのような表示になるのでしょうか?

前景で描画って?

この二つのファミリはそれぞれマスキングで2D用の表示が設定されています。しかもその表示設定は「前景で描画」にチェックが入っています。

テーブル

テーブルのマスキング領域

椅子

椅子のマスキング領域

いずれもマスキング領域のインスタンスパラメータ「前景で表示」が☑になっています。この前景で描画というところがポイント何です。このモデルを真横から見てみますとこうなります。
椅子のほうが平面図のカメラに近いので椅子の勝ち!

つまり、椅子の存在領域がテーブルの存在領域より上にあります。よって椅子のほうが平面図のカメラに近いため椅子のほうがテーブルより「前景で描画」されるというわけです。いってみれば上の図の赤・青の線(面)上にマスキング領域が描画されているイメージです。

前景で描画でないとどうなるのか?

ではマスキング領域が前景で描画でないと表示はどうなるのでしょうか?それはマスキング領域を描画した参照面の位置によるのです。それぞれのファミリを以下のように修正してみます。

  1. 名前の付いた参照面(ここではマスキングという名前にしました。)を作成
    テーブル
    椅子
  2. マスキング領域を 1 で作成した参照面上に移動し、前景で描画をOFF
    マスキング領域を参照面に移動
このような状態にしてみます。
マスキング領域が乗っている参照面の上下関係を考える
そうなると
テーブルの下に椅子が入って見える!
このような表示になります。つまり前景で描画をOFFにすると、作成されている位置に応じて描画されるのです。この理屈はマスキング領域(詳細項目)だけではなく、シンボル線分も同じです。
この例は極端な位置にマスキング用の参照面を作成しましたが、実際にはマスキングがあらわす部分が存在する位置に参照面を作成するといいでしょう。
マスキングごとに適切な参照面を作成すると◎
マスキングやシンボル線分も実際にはあくまでも3D図形であり、便宜的に表示の方法を切り替えているだけだと覚えておいてください。

2017年6月11日日曜日

常に垂直・作業面に基づく・ロード時にボイドで切り取り

ファミリの基本のプロパティ

ファミリを新規作成し、テンプレートに「一般モデル(メートル単位).rft」を選択したときに、ファミリの基本的なパラメータとして

  • 作業面に基づく
  • 常に垂直
  • ロード時にボイドで切り取り

というのがあります。プロパティウィンドゥに次のように表示されています。
ファミリのパラメータ
すべてYES/NO型のパラメータですが、これらはどのような意味があるのでしょうか?

常に垂直

ファミリのインスタンスには「ホスト」または「作業面」というパラメータがあります。ホストはレベルであったり、何らかの要素の面であったりします。このパラメータはそのホストまたは作業面に対して垂直なのか(OFF)、あるいはホスト面が傾いていても常に垂直を保つのか、というインスタンスの配置を決定します。
常に垂直:□(左)と☑(右)
上の図で斜めの板は床です。配置された円筒状のファミリは左が常に垂直がOFF、右が常に垂直がONです。ホストはどちらも床面です。常に垂直がオフの場合は、配置されたホストに従って向きが変わります。ただし、壁など垂直な面にはホストすることはできません。基本はレベルに基づいています。

作業面に基づく

壁面など任意の面に配置したい場合は、作業面に基づくにチェックを入れます。このパラメータがONの場合、挿入時リボンに下の図のようなオプションが表示されます。
作業面を指定するオプションが表示される
面に配置とは「何らかの要素の面」を指定する、という意味で、作業面に配置とは「通芯」「レベル」「名前の付いた作業面」に対して配置する、という意味です。
面に配置した例
常に垂直をOFFにしておけば、いろいろな面をXY平面としてファミリを配置することができます。
このファミリインスタンスパラメータには「レベル」のパラメータはなくなり、「作業面」と作業面からの「オフセット」のパラメータが表示されます。
インスタンスパラメータに注意
さらに常に垂直をONにすれば、ホストとなる作業面に関係なく常に垂直を保って配置されます。
面に配置されるが垂直を保つ

ロード時にボイドで切り取る

たとえば床に排水側溝を作りたい場合などに、ホストとなる要素を「削る」必要があった場合には、このパラメータをチェックします。下の図は「作業面に基づく」がONで、「ロード時にボイドで切り取り」をON・OFFにしたファミリを床と壁に配置した直後の状態です。このファミリにはボイドだけが含まれています。
同じようなファミリに見えるが・・・・
これらを 修正タブ>ジオメトリパネル>切り取り を使って関係づけると
□だと切り取りで関係づけることができない
「ロード時にボイドで切り取り」がOFFの場合は、ホストとなる要素(この場合は壁と床)を切り取ることができません(というか、切り取りコマンドで指定することすらできません)。

作成したいファミリの特性に従って設定してみてください。

2017年6月4日日曜日

カーテンウォールのコーナー

突き付けガラスのコーナー

カーテンウォールは便利な機能ですが、コーナーの処理に若干の工夫が必要です。カーテンウォール芯にガラスがある場合は下の図のようになりますが、
パネルが芯にある場合は問題なさそうだが…

ガラスパネルをオフセットすると、間が空いてしまいます。
パネルを外側にオフセットするとガラスの間が空いてしまう。

突き付けガラスにするにはどうすればいいでしょうか?

コーナーマリオンで解決

こんな時はガラス厚と同じ厚さの四半円形マリオンをコーナーに作成してみましょう。この図にあるガラスパネルは、外側に90mmオフセットした、厚さ20mmのガラスです。
パネルのタイププロパティ

まずは以下のような四半円形コーナーマリオンタイプを作成します。
ガラスの厚さ・オフセット・マテリアルを同じにする

そしてこのマリオンをコーナーのグリッドに割り当てると
突き付け部のガラスをコーナーマリオンで作成
3Dビューで見ると
ガラスのコーナーマリオンで突き付けガラスを表現

2017年5月27日土曜日

条件式を使ったファミリ

条件式 IF

前回のファミリを引き続き題材にします。下の図を見てみると、面取距離(A)の値は取りうる値に制限があることがわかります。0より大きくないといけないし、またX、Yの値の半分より小さくないと押し出しフォームを作ることができません。
前回の面取りファミリ
まとめますと
  • 条件1: 面取距離>0
  • 条件2: 面取距離<0.5*X かつ  面取距離<0.5*Y
面取距離=面取長*sin(45°)ですから、二つの条件は
  • 条件1:面取長*sin(45°)>0
  • 条件2:面取長*sin(45°)<0.5*X かつ 面取長*sin(45°)<0.5*Y
となります。この二つの条件をすべて満たしたとき、Aの値を受け入れるようにしてみましょう。
条件式は if 文を使います。書式は

if(条件式, TRUEの場合の値, FALSEの場合の値)


となります。条件式は数字の判断が使えますが、文字列の判断は使えません。

入力用のパラメータを追加

ファミリを開いて、面取りの長さを入力するためのパラメータを追加します。

  1. 作成タブ>プロパティパネル>ファミリタイプ
  2. 新しいタイプ ボタンをクリック
  3. 名前を「面取長」とし、パラメータタイプを「長さ」、パラメータグループを「寸法」としOK
    パラメータ「面取長」を追加

条件を追加

条件1と条件2を評価するためのパラメータを追加します。

  1. 作成タブ>プロパティパネル>ファミリタイプ
  2. 新しいタイプボタンをクリック
  3. 名前を「条件1」としてパラメータタイプを「はい/いいえ」、パラメータグループを「その他」
  4. 同様に、「条件2」を追加
  5. 条件1の式を「面取長 * sin(45) > 0」
  6. 条件2の式を「and(面取長 * sin(45°) < 0.5 * X, 面取長 * sin(45°) < 0.5 * Y)」
    条件1と条件2を追加して式を設定する
    条件2の式は「面取長 * sin(45°) < 0.5 * X」, 「面取長 * sin(45°) < 0.5 * Y」の両方の式が満たされていればTRUE(☑)、そうでなければFALSE(□)を返します。

Lの値を制御する

Lの値をifを使った計算式で制御します。
  1. Lの計算式に「if(and(条件1, 条件2), 面取長, 0.1 * X)」と入力

これは 条件1と条件2がどちらもTRUEならば面取長にLの値をそうでなければXの0.1倍の値をLに設定する という意味です。なお、どちらかがTRUEの場合はandではなくorを使います。
Lの式を設定するとグレーになる

面取長の値をいろいろ変えて適用ボタンをおしてみてください。あまり大きな値を入力するとX*0.1の値になります。
安全なファミリ

これで安全な値しか入力できないようになります。

2017年5月20日土曜日

計算式を使ったファミリ

計算式を活用しよう

ファミリのパラメータは、計算式を使うことでいろいろな制限ができます。今回は計算式に関するいくつかのヒントをご紹介します。

面取りの長さ

下の図のような角が面取りされたファミリを考えてみます。面取りの距離(下の図ではA)ではなく、面取りの長さで距離を指定したい場合はどうすればいいでしょうか?
面取りの長さで指定するには?

まずは次の手順でファミリを作成してみます。ここで大事なのは、面取り部分のスケッチラインの拘束方法です。
  1. [R]>新規作成>ファミリ
  2. 「一般モデル(メートル単位).rfa」
  3. 下の図のように参照面を作成し、寸法をつけ、寸法にラベルをつけてパラメータ化します。
    参照面に寸法を作成し、寸法にラベルを付ける
  4. 作成タブ>フォームタブ>押し出し
  5. オプションバーのロックにチェックを入れる。スケッチラインを確実に参照面にロックしましょう。
  6. 描画パネル>選択(緑色の線のアイコン)
  7. 上下左右の参照面を選択してスケッチラインを参照面にロック
    スケッチラインを参照面にロック
  8. 修正パネル>位置合わせ
  9. 内側の参照面①を選択、スケッチラインの端点②を選択(端点●がハイライトされます)
    位置合わせ
  10. 鍵アイコンをクリックしてロック。
    ロックする
  11. これを繰り返して、残りの端部を参照面にロック。
    端部をロック
  12. 描画パネル>線分で面取り部をつなぐ。
    スケッチ完成
  13. モードパネル>✔
  14. プロパティウインドウの押し出し終端のボタンを押して、新しいパラメータボタンを押し、T1というパラメータを作成。
    パラメータT1を関連付け
  15. 同様に押し出し始端にT2というパラメータをつける。
  16. プロパティパネル>ファミリタイプ
  17. Aの値を200に変更して適用し、正しく機能するか確認します。

面取りの長さLをパラメータにする

面取りの長さをLとして計算式で表すと
  • A=L*sin(45)
  • A=L/sqrt(45)
などと表すことができます。面取りの長さをLとしてパラメータを追加します。
  1. プロパティパネル>ファミリタイプ
  2. 新しいパラメータボタンをおし、「L」パラメータを追加
    パラメータLを追加
  3. パラメータAの「式」の欄に L * sin(45) と入力、「°」は自動的に付加されます。半角で入力して下さい。パラメータの大文字小文字は区別されます。
    L*sin(45)
  4. Lの値を100として適用、Aの値が変わることを確認します。
    面取りの長さを100に
  5. 式の中に変数(この場合はL)が一つしかないので、Aの値を変更してもLの値を変えることができます。

厚さをコントロール

厚さにはT1、T2のパラメータをつけました。総厚をTとして、それぞれ0.5*Tを設定してみます。
  1. プロパティパネル>ファミリタイプ
  2. 新しいパラメータボタンをおし、「T」パラメータを追加
  3. T1の計算式に 0.5*T 、T2の計算式に -0.5*Tとする。
  4. T の値に 400 と入力し適用ボタンを押し、T1,T2の値が変わることを確認
    T1とT2の値を計算式で設定

使える関数

このようにファミリの値を制御するために計算式を使うことができます。以下のような関数が使えますが、どのように使うかはヘルプ(2017 2018)を参照してください。
  • 加算: +
  • 減算: -
  • 乗算: *
  • 除算: /
  • 指数: ^: x^y、xの y 乗
  • 対数: log
  • 平方根: sqrt: sqrt (16)
  • 正弦: sin
  • 余弦: cos
  • 正接: tan
  • 逆正弦: asin
  • 逆余弦: acos
  • 逆正接: atan
  • 10 の x 乗—exp(x)
  • 絶対値: abs
  • Pi—pi (3.1415926...)
  • 最も近い自然数に丸め:round(X)
  • x 以上の最も大きな自然数に丸め:roundup(X)
  • x 以下の最も小さい自然数に丸め:rounddown(X)